醸造元 阿部勘酒造店

塩竈の美味しいものを紹介するうましお☆

第5弾は、『阿部勘酒造店』さん。
古くより門前町として栄えた鹽竈神社のふもとに門を構え商店を営み、創業享保元年(西暦1716年)に伊達藩の命により酒造株を譲り受け、鹽竈神社への御神酒御用酒屋として、酒造りを始めたのが創業と伝えられています。

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

来年で創業300年を迎える地元に根ざした蔵元

宮城県産米を中心に原料米にこだわり、手間暇をかけて、量産はせず高品質少量生産を念頭にかかげて丁寧な酒づくりを心がけているそう。
現在は約800石の日本酒を販売しています(昔は約400石で、そのうちいくらかは他社のお酒を販売していたそう)。
在庫を抱えてしまうと、売らなくては…という意識が働き、変な売り方・気持ちのないところで売ってしまうかも知れないため、また、塩竈の酒蔵らしく新鮮な海産物に合うようなフレッシュな酒質を保つために、約1年~1年半のストックとしているそうです。

 

阿部勘酒造店

 

門をくぐり敷地内に入ると、左手に白い建物(2008年に建てられた新工場)が見えます。
向かって左側の建物で瓶詰めを、右側の建物で酒作りを、その奥の土蔵の蔵は酒造り・ろ過調合・製品置場として使用しているそうです。
「美味しいお酒を造るのに蔵の大小は関係なく、小規模だからこそ仕込みから出荷、販売後のお客様の反応まできめ細やかな管理と対応ができる」また、この日取材に応じてくださった入社19年目の営業部の菅井さんは、蔵元でありながら「地元の酒屋さん」と表現されていたのが、とても身近に感じられ印象的でした。

 

阿部勘酒造店
左側が瓶詰め・右側が酒造りの建物

 

阿部勘酒造店
瓶は洗浄・消毒して再利用されます

 

阿部勘酒造店
瓶詰の工程について説明中

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

今年の冬の仕込みは3/7で終了、あとは、搾りを迎えるもろみがあるだけで、 酒造りは4月中旬に完了。
自動の機械まかせではなく人の力で安全管理を徹底し、 大吟醸に使用する水は、なんと!泉ヶ岳の根白石から汲んできているそうです。お米だけでなく、水にもこだわって酒造りをしているのだと、改めてお酒の奥深さを感じました。

仕込み水も鉄分が入っているといけないそうで、ミネラルもある程度は必要ですが、お酒としてはあまり良くなく、割り水・加水(水で割るとき)はH2Oに近い水・純水を使用しています。
その他のお酒(大吟醸以外)は、水道水を二回ろ過して塩素などを除去しているそうです。

【大吟醸☆秘話】
30~35日かけてゆっくり発酵させるので、温度管理にも非常に気を遣います。
天気が良すぎると暖かくて焦りが…とのことで、今冬は暖かい日が多く杜氏さんがとても苦労されたのではないかと想うと、今年の大吟醸は、いつもよりじっくり味わって呑んでみたいと思いました。

 

阿部勘酒造店
工場見学スタート!

 

阿部勘酒造店
向かって左側が麹室

 

【まめ知識☆其の一】米麹ってなぁに?

蒸米に麹菌を生やし、菌糸に覆われた状態を米麹と言います。

【まめ知識☆其の二】酵母菌の寿命は?

もろみの中で酵母の微生物が分裂・分裂を繰り返していくと、うまみ(糖分)を餌として食べてアルコールを出そうとするが、どんどんお米が糖化してきて、糖分(簡単に言うとごはん)がなくなると、酵母の餌がなくなり酵母が死んでしまい酒粕のような薫り(死滅臭)がでてきて、頂けなくなるそう。

 

阿部勘酒造店
蒸したお米を機械をとおして冷まします

 

阿部勘酒造店
これから瓶詰されるのかな~? クレーンを使って1Fへ下ろします。

 

阿部勘酒造店
瓶詰されたお酒は氷温貯蔵庫に保管されています

 

阿部勘酒造店
いい香りが漂います(酔)

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

貴重な福露搾りを見学!

この日は、普段なかなか見ることができない貴重な、阿部勘酒造店伝統の上槽(搾り)方法である『福露搾り』を見学してきましたので、その様子をご紹介します!(動画もありますので、是非ご覧ください。)
【福露とは?】= 袋  → 阿部勘の日本酒を飲んだ方々が幸せとなる“福の露”となるように命名したそう。
ちなみにお酒はどんどん発酵が進むので、搾った瞬間の槽口の味はここだけの味わいで、クリーミーな舌触り・きめが細かいそうです。

 

【まめ知識☆其の三】搾りってなぁに? どぶろくって?

  • 酒粕と分離させる作業が搾り。
  • 昔は分離させる作業ができなかったため、7~10日くらいの消費期限で、その前が呑み頃としてどぶろくを呑んでいたが、アルコール度数は10%までいかなかったのでは(7~8%)?と推測されているそう。
  • 昔の「大酒のみ伝説」で、一日で一升二升呑んだというのは、アルコール度数が低かったからではないか?
  • 体格が良いほうが、アルコールを体に回しやすいそう。(例)お相撲さん
  • 江戸時代や明治初期の昔のお酒(どぶろくなど)に比べて、今ははるかに美味しい華やかな日本酒を呑んでいるはず!とのお話でした。(江戸時代にタイムスリップして、呑み比べてみたいなぁと思った取材陣…脱線失礼(笑)

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

阿部勘酒造店

 

 

貴重な福露搾りの様子はいかがでしたでしょうか?
観ているだけで、芳醇なお酒の香りが漂ってくるような気がして、今宵は日本酒を…という気持ちになります♪
この日搾っていたのは、松島にある酒屋さん別注のオリジナルのお酒とのこと。
どんなお酒か探してみるのも、楽しいかも知れません☆

 

【まめ知識☆其の四】荒走りってなぁに?

搾り始めて最初に出てくる濁った部分から、澄んでくるまでの搾りたてのお酒のこと。
(下の画像のクリーム色の3つの桶のうち、上のものが一番最初のお酒です。)

 

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【一部商品をご紹介】

「かすみ」最初の荒走りを含めた、おりを含めたお酒(搾ったそのまま、無濾過のまま瓶詰めしている) ●冬かすみ(3月末まで)
「阿部勘・にごり」(黄色いラベル)もろみをザルでアラごしし、とけきらなかった米つぶ・麹を取り除いたお酒。
「秋あがり」こってりした風味
「かえるアロマチック」3月・甘い風味
☆菅井さんおすすめのお酒☆
「ひより」パッションフルーツのようなほんのりとした甘みがありつつも、シャープでキレがあるお酒。香りも楽しめてスパッとキレがあり、でもベタッとしないそう。

 

【阿部勘の酒造りへの想いとこだわり】

  • 杜氏の腕とともに蔵人とのチームワークが良くなければ、良い酒は造れない。
    どれだけ知識のある名杜氏でも、実際に手をかける蔵人全員のチームワークがなければ、良い酒はできないし、気持ちがお酒に表れる。現在の平塚杜氏を先頭に、蔵人たちはそれぞれやるべき仕事をわきまえて、最善の仕事をする。
    みんなが集まって結果として良い酒ができる。
  • 今の杜氏は日々勉強して新しいものを取り入れていて、装置も改良しながらオリジナルのものも使用しているそう。
    昔からよしとされているものはそのまま使い、さらによくなると思うものは改良を加えています。
  • 蔵人の挑戦…やったことのない酒造りを!使ったことのない酵母や米を使い、挑戦し続けている。
  • 低精白米を使った、安価でも美味しい日本酒に挑戦しているところだそう。
  • 美味しい低価を目指している。純米で晩酌してもらえないか?
  • 福露搾りに使用する棒は竹さおを使用しており、鉄パイプはダメだそう。鉄とアルコールは相性が悪く、鉄が反応を起こしてもろみが赤くなり錆化するため、薫りが移らない杉や竹の竿を使用しています。
  • 繁忙期は毎日仕込み。どれだけ洗米で米ぬかを洗い落とせるか、しっかりと手抜きしないでやることで旨い酒ができる。
    米ぬかがついたまま仕込んでしまうと、雑味がでる。搾り→瓶詰め→箱詰め→掃除の繰り返し。
  • 棚の賑やかしで置いてもらうのではなく、昔ながらの酒屋さんはこの銘柄はずせないというのがあると思うので、3番手・5番手だったとしても、阿部勘の酒質を求めているお客様がいたら飲んでみて…とすすめてもらえるようなお酒であって欲しい。人と人とのつながりを大切に、足しげく通って阿部勘のお酒の良さを伝えていきたい。

 

阿部勘酒造店(店舗)

店舗では、酒粕や一部商品が販売されています。

 

地元に根ざした酒蔵「阿部勘酒造店」さんは、いかがでしたでしょうか?

今回はたくさんのまめ知識も伺うことができ、いつものように取材者自身も愉しみながらお酒を学べ、より日本酒が好きになりました。
今まで日本酒を嗜む機会が少なかった女性やお酒に弱い方でも呑みやすく、塩竈という土地柄、魚介にも良く合い、食事の引きたて役とも言えるお酒が豊富なところが、私の一番のおすすめポイントです☆!
みなさんにも、是非それを感じていただけたら…と思いました。
お近くの酒販店にて、お気に入りの阿部勘のお酒を見つけてくださいね(^_-)-☆

 

(取材:ち・ど)

 

お店の情報
阿部勘酒造店
TEL / FAX 022-362-0251  /  ‪022-362-9668
メールアドレス: info@abekan.com
住所:
〒985-0057 宮城県塩竈市西町 3-9
アクセス: JR仙石線「本塩釜駅」から徒歩約15分
※ お車でお越しの方は、敷地内駐車スペース(約5台)をご利用頂けますので、
ご来店前にお問い合わせください。
営業時間: 8:30~17:30  (店舗・小売部併設)
休業日:日・祝日、毎月第2・4・5土曜日
公式サイト: http://www.abekan.com/
スタッフからの一言:
※ 掲載情報は2015年3月現在の情報です。詳しくは、お店までお問い合わせください。

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